西日本放浪の旅③ 2日目〜ラスト絶景狩り!赤尾展望所と鬼舞展望所〜
2016年4月16日
この旅のスタート地である東京(バスタ新宿)を出発して約41時間45分。隠岐の島へ上陸して約23時間が経過…。
牛馬との戯れ、天上界や通天橋、魔天崖の絶景、そして観音岩の夕日。ウミウシを食べ、今朝には焼火山を登山して眺めた朝焼け。焼火神社でパワーを吸収。貪欲にも、かなりいいペースで隠岐の島を満喫してきました。正直あまり来る機会がなさそうな隠岐の島なので、時間ギリギリまで絶景を探して来ました。それでは張り切ってラスト絶景狩りへ、スタート〜!!
国賀海岸を一望、赤尾展望所
⏰11時23分
まずは別府港から車で約35分、赤尾スカイラインの終点にある赤尾展望所へとやってきました。
私の背後にある、タヒチっぽい木製の建物が赤尾展望所です。
赤尾展望所は約7kmに渡って海蝕崖や海蝕洞が続き、大山隠岐国立公園に指定されている隠岐最大の景勝地であり、国賀海岸にある代表的な展望所。
この赤尾展望所もまた「日本の夕陽百選」に認定されています。
階段を登って展望デッキに上がってみると、各所までの距離と方位が記されているプレートがありました。
「東京まで600kmか…」
不意に、高速バスで数時間揺られて寝れなかった記憶が脳裏に蘇ってきかけたので考えるのは止めにしました。
前方を眺めると一面に日本海が広がっています。
断崖絶壁!という訳ではなく、先端の余白部分がありますね。(安心しました)
そして右手側が一番の絶景ポイント!!昨日、ひぃーこら言いながら登った摩天崖や、通天橋・天上界など国賀海岸の海岸線が一望できました。
「しかし、よくあんな摩天崖の上まで登ったな…。」と昨日の自分に感心するほど、赤尾展望所からの景観は摩天崖の丘の上まで全体を見ることができるので、国賀海岸のダイナミックさをより一層実感することができますね。隠岐の島探検を締めくくるスポットとして選んで正解でした!
ちなみに、深沢的に通天橋はここから見るのが一番好き。
さすが、これだけの景観地。GENERATIONS from EXILE TRIBEの曲「Always with you」のPV撮影ロケ地になっていたり、その他にもSMAPの中居さん主演映画「私は貝になりたい」の冒頭のシーンなどが撮影された場所でもあります。とにかくロケ地になるくらいなので景色は抜群!!
隠岐の島へ訪れたら、必ず抑えておきたいポイントの一つでしょう。
出典:http://nkk-oki.com/japan/akao-lookout/
ラストの目的地
さて、いよいよ隠岐の島とお別れの時間が近づいてきました。
最後の絶景狩りポイントとなる目的地へと車を走らせていきましょう。
常づね、人間の「慣れる」という適応能力はすごいなぁ、と思っていたのですが
たった1日で道を塞ぐ牛が居ようが、牛が横に来ようがピーピー騒がなくなるものなんですね。でも当たり前のように私以外の車や人がいないのは、寝ている時の夢の中みたいな世界で「実はまだ深夜バスの中なんじゃ…」と疑ってしまいそうになるくらいに不思議な感覚です。
お次のルートは高所感と信号も人工的な建物も何一つない開放感に溢れた、南端へと延びる爽快な鬼舞スカイライン。終点までこのままひた走ります。
鬼舞展望所
⏰11:50
鬼舞スカイラインの終点、その先にあるラストの地に選んだのは 鬼舞展望所。
鬼舞展望所は駐車場から、さらにあの高い丘の上まで歩いていきます。
(隠岐の絶景を見る為にはとにかく歩くことを覚悟しておきましょう。)
ちなみに西ノ島町では、強い風のことを「鬼」と呼んでおり、この場所は強い風が吹くことから「鬼」が「舞う」という名前がついたそうです。今日はかなり穏やか。
「それでは張り切って行ってみよー!!」
歩くこと約10分。
振り返ってみると、だいぶ登ってきましたね〜。
「着いたー!!!」
膝が笑ってる。だけどこの景色を見て…疲れなんて瞬間で帳消しされました。
超絶景…!!!!
ここは本当に日本!??
景色+馬がいい感じに2頭いるしで、これはもう絵画の世界!!というか、ジブリ感。
日本離れした壮大なスケールの360度広がるパノラマ、地球の神秘と驚異を感じることでしょう。
向こう岸に見えている島は隠岐諸島のもうひとつの島、知夫里島。綺麗な三角に見えている部分は赤ハゲ山です。
実はこの隠岐諸島の西ノ島、中ノ島、知夫里島、もともとは一つの大きな火山のカルデラでした。それが半分海に沈んでいるので、いくつかの島に分かれて見えています。
出典:http://www.oki-geopark.jp/geohistory/
深い海の底にあった隠岐はプレートの活動によって徐々に隆起を始め、約600万年前に大規模な二つの火山活動によって、島前と島後の島が形づくられました。この火山活動は約550万年間も(!!)続いて現在の地形ができたそうです。恐るべし。
出典:http://www.oki-geopark.jp/geohistory/
遠くにはまた海岸線も望むことができます。
丘の上のからは島前カルデラの全体景観と中央火口丘である焼火山を一望でき、のどかな内海の風景と外海である日本海の荒々しい景観を比べて見てみるのもおもしろい。(今日の日本海かなり穏やか)
そしてココへ来て、「なぜ隠岐の島では牛や馬が放牧されているのか?」
その謎と理由が解けました。
先ほどの隠岐の島の成立ちでも分かる通り、隠岐の島は火山活動によって誕生した独特な地形な為に平地が少なく、急で痩せた土地です。
この土地で生き抜くために先人達が知恵を絞り(たぶん)、 高さ1.5m前後の石垣で4つの区域に分け、それぞれに麦、大豆、小豆、粟などを1年ごとに栽培、4年目に牛馬を放牧して一巡。
牛馬の糞を肥料にし、同じ作物を2年連続で耕作しないことで、土地がやせるのを防ぐ工夫をしました。
出典:https://bewave.co.jp/oki/see/onimai.html
島の急斜面で狭い土地を有効利用するために考え出された「牧畑」は、世界的にもユニークな農法で、4サイクル式の方法や放牧は隠岐諸島の独自に発達した生きるための知恵や文化だったのです。
赤ハゲ山周辺に残る牧畑の石垣(知夫里島)出典:http://www.oki-geopark.jp/lifestyle/wisdom/
1960年頃まで営まれていた放牧と畑作ですが、時代の変化で本土との交通の便が良くなり、価格の安い作物が入ってくるようになった為、この文化は廃れ、現在は風化して僅かに石垣の跡地が残っている程度。唯一、放牧の文化のみが現在に残りました。
無計画に旅してる割にはエンディングに相応しい感じになりました。(ホッ)
「母なる大地よ、あーーーー!!!!」って思わず叫ばずにはいられない。(※大地讃頌)
そんな大自然の驚異をこれでもかっ!ってくらいに見せつけてくる隠岐の島。
全部が壮大で自分がちっぽけで、自由で、素晴らしかった…
そのなかでも鬼舞展望所、
今回行った中でマイベストオブ絶景スポットNo.1に決定。
この絶景を背にして本土へ帰るのが惜しいくらいですが、帰りの船の時間が迫ってきたので別府港へと向かいます。これで隠岐の島も見納め。
隠岐の島の魅力
ほぼ1日で、たくさんのスポットをご紹介してきました。
今回は隠岐諸島の「西ノ島」のみしか上陸できなかったので、これはほんの一部分。まだまだ未知の隠岐の島には魅力がたくさん隠れていることでしょう。
写真には納まりきらない場所。
時間の流れを忘れる場所。
開放感を与えてくれる場所です。ゴミゴミした環境や何らかのストレスに日々揉まれている人、とりあえず家から出てここへ来るべき。
断崖絶壁の海、壮大な絶景や神秘的な山絶景の数々に、癒され思わず感動すること、間違いなしです。
ちなみに、大自然の中でモリモリ育ったあの牛たちは「隠岐牛」として幻の黒毛和牛らしい。
「隠岐牛」になれる定義も、①隠岐島(海士町、西ノ島町、知夫村、隠岐の島町)で生まれ育った未経産の雌牛②日本食肉格付協会で肉質等級が4等級以上の格付けを受けたもの③隠岐牛出荷証明書が発行されていること。「島生まれ、島育ち、隠岐牛」としてかなり厳しい水準で取り扱われているようです。この環境で育ったあの牛たち、間違いなく相当おいしいことでしょう…。
馬刺しはないの…?
隠岐の島、滞在時間約27時間
西日本放浪の旅まだまだつづく